ドローンが救急車より16分早く到着し生存率が10倍に?

ドローンを用いた、救急治療に関する実験が米国医師会雑誌(JAMA)で発表された。
研究を行ったのは、スウェーデンの医科大学であるカロリンスカ研究所のAndreas Claesson氏が率いる研究者チームで、ストックホルム市周辺で一連の心停止シミュレーションを行い、ドローンがレスポンスタイムを平均約16分短縮できることを実証した。

今回の実験内容は、心停止を起こした患者に自動体外式除細動器(AED)を届けるというものだ。
心停止を起こした患者にとって、最も重要な要素となるのが「出動要請から現場到着までの時間(レスポンスタイム)」である。

救急ドローンを開発したAlec Momont氏は、

「EUでは、毎年約80万人が心停止に襲われる。生き延びる人はわずか8%だ」

と述べている。

生存率が8%に留まる大きな要因は、救急サービスのレスポンスタイムが比較的長い(約10分)ことだ。
脳死や死は4分~6分以内に起きるため、少しの要因で患者の生死が決まる。

つまり、より早くにAEDを届けられるシステムが導入されれば、心停止の患者の生存率は改善される可能性が高い。

Momont氏が開発した救急ドローンは、12平方km以内の患者に1分以内で除細動器を届けることが可能だ。
このレスポンス速度によって、心停止後の生存率が8%から80%に上昇するとの見解を示している。

また、ドローンと救急車で、どちらが早く目的地に辿り着けるのか、という実験も行われた。

今回の実験では、重さ約0.8kgの自動体外式除細動器(AED)とGPS、HDカメラ、オートパイロットソフトウェアを搭載。
このドローンは消防署に配備され、半径10km以内でシミュレートされた18件の心停止の現場に派遣された。これらの現場は全て、2006年~2014年の間に実際に心停止が発生した場所だ。

以下がその結果だ。

ドローンの方が早く現場に到着した。通報を受けてから出発するまでの平均時間は、救急車だと3分だが、ドローンは3秒である。派遣から到着までの平均時間は、救急車が22分、ドローンはわずか5分21秒だった。レスポンスタイムは平均で16分39秒短縮された。

救急車での搬送は、交通状況や車両の稼働率によって迅速に患者の元へAEDを届けることができないケースもある。
しかし、ドローンを用いた運搬であれば、現状16分以上も早いレスポンスタイムを叩き出している。

またドローンは、機体の購入費や管理コストなども比較的安価に行えるため、法律の問題をクリアすれば、日本でも実現的な救急サービスとなるだろう。

AEDが常設されている施設も増えてはきたが、
AEDをありとあらゆる場所に設置することは、予算的な問題や、保管場所など様々な問題がある為、今回の救急ドローンの実験には注目が集まっている。

参考文献:cinet japan